【津軽凧】のサイズがセンチでなく「西の内」で表されるワケとは

2011-01-26

青森県では、土地に生まれ五十年以上の伝統を有しているなどのいくつかの要件を満たしている工芸品を、青森県伝統工芸品に指定する制度を設け、工芸品の価値の再評価と作り手の意識の向上を図っている。そうした青森県の伝統工芸品のひとつに「津軽凧」がある。江戸時代に窮した津軽藩士の内職として始められたもので、子供の成長や子孫繁栄の願いを託した玩具として代々受け継がれている伝統的なものである。凧には加藤清正などの戦国武将や英雄などが、鮮やかな色彩と巧みな筆さばきで描かれる。この津怪凧はサイズの表記方法がほかの凧と違うのが興味深い。通常の凧は、「タテ○○センチ×ヨコ○○センチ」と表されるが、津軽凧は「西の内一枚、西の内二枚」と表記されるのだ。枚数は一枚、二枚と漢数字で表記するのが好ましいという。ちなみに西の内一枚の大きさは、タテ四八・五センチ、ヨコ三三・五センチである。ではなぜ、津軽凧特有のサイズ表記があるのだろうか。津軽凧職人の成田幻節氏によると、江戸時代に津軽凧が作られるようになった際、茨城県西の内地方から和紙を取り寄せていたので、このような独特の呼び方をするようになったという。和紙自体は、日本を代表する和紙のひとつ、茨城県常陸大宮市の西の内紙として現在でも有名である。また、通常は骨の部分が竹で作られるところを、ヒバの木を使うのも津軽凧の特徴である。ヒバを使うのは、津軽では気温が低いために竹が育たないという理由からだ。そのヒバで枠を組み、わらでできた凧糸がつけられる。そして凧の裏側の上部の凧糸に、ふたつ折りにした和紙(津軽弁ではブンブ)を取り付けて、鮮やかな絵が描かれて完成という流れである。凧が空に舞い上がると、ブンブが凧の骨を叩き、「ブーン」という音がする。この音が津軽凧には欠かせない音なのだという。

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