某個別指導塾で約六〇名の生徒を担当してきたというづアラン講師はこのように言っています。私がこの四年間で学んだことは、ます子どもたちの「できない」という気持ちを、高みからではなく子どもたちの目線で理解することが必要だ、ということです。私は小学校、中学校、高校と部活動を続けてくるなかで、努力することの大切さや達成したときの喜びをたくさん経験してきました。しかし、それと同時に、壁に突き当たってもがき苦しむことの辛さも多く経験してきました。それは勉強に伸び悩んでいる子どもたちにも通じるものがあります。子どもたちは皆、例外なく「できるようになりたい」と思っています。私たち講師は、ますその気持ちを汲み取り、大事にして動機付けしてあげることが大切なのです。「子どもたちの目線で理解する」・・・まさにホスピタリティの基本ですね。しかし、「子どもだちと同じ目線で彼らに接し、子どもたちの立場に立って共感する」ということはそう簡単にできることではありません。そのことを自身の失敗体験から学んだ講師もいます。その生徒は、私が講師になってまもなく担当した、医学部志望の高校2年生でした。とてもまじめな生徒で、宿題も完璧にこなし、大学受験基礎レベルの問題は難なく解くことができました。初めはそっけない態度だった彼女も、慣れてくるとしだいに笑顔を見せてくれるようになりました。ところが、高校3年生になって、彼女の顔からどんどん笑顔が消えていったのです。授業中に質問しても首をただ縦にふるだけの日さえありました。私は努めて普段どおりに振る舞おうとしていましたが、内心、どうしてしまったの?という戸惑いと、何とかしなくてはという焦りでいっぱいでした。『カウンセリング心理学入門』という本を熟読したりもしましたが、解決の糸□は見つからず、ついには、彼女の授業の日になると憂欝で授業自体が怖くなってしまったのです。
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