まだ面接がはじまっていなかったその時点で、もうダメだと、私はその場に卒倒するか、逃げ帰りたくなった。受験情報ネットワークを持ってさえいれば、そんな「常識」は当然心得ていたはずだ。別に、風呂敷とスリッパの用意がなかったことだけが落ちた原因だと言いたいわけではない。風呂敷とスリッパに象徴されるように、私も子どももあまりに準備不足で、受験をなめすぎていた。そしてなめていた証拠の第一が、お受験情報ネットワークに加わらなかったことにある。子どもの試験が終わるまで待っている間は、たとえ知り合いに会ってもペチャクチャとおしゃべりをせず、カバーをかけた本を静かに読むということなども、考えてみれば「常識」ではあるのだが、私は気づかずに堂々とカバーをかけないまま岩合光昭の動物写真集などをめくっていた。私立小学校の入試の待合室で、いかにその本が不似合いであったかにさえも気づかないほど、私はバカだった。
[参考]
個別指導情報館