遺髪に高い濃度の砒素が検出されたことは認めるが、それは毒殺ではないとする説。ナポレオンが生活したセントヘレナの家の壁紙から砒素が検出されている。この家は湿気がひどかったと記録されている。この壁紙にカビが生え、カビは自分の生えているところの砒素を吸収し、砒化水素ガスとして放出する。このガスによる中毒だとするものである。次に、遺髪から検出されたのが砒素だというのはマチガイで、分析をやり直してみたら、確かに砒素もあるが、こんどは高い濃度のアンチモンが検出されたというもの。一九六〇年当時の技術では砒素とアンチモンの区別がつかなかったのだろうということらしい。アンチモンは当時、阿片やキニーネとともにクスリとしてナポレオンに処方されており、アンチモン中毒であった可能性は十分ある。そしてさらには、そもそも砒素なんか微量しか検出されませんでした。よって毒殺説は根拠がないのでは、という説もある。
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