介護者の娘はパートで生計をたてており、日中は十分な介護が行われていない。もしどこかの民家から火が出ると、あっというまに燃えひろがると思われる。」彼女は、この1家の日常の居住環境の悪さが、平常は健康阻害や寝たきり化をまねいており、同時にそれが火災時の犠牲につながることを予感していたのである。それは2年後の地震で現実のものとなった。つまり、震災で犠牲となった人たちは、一般に日常から健康をむしばむ老朽家屋や過密住宅地に住んでいた。
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いわば毎日少しずつ死んでいた。震災はそれを一挙に増幅して死に至らしめたといえる。考えてみれば、死は病いの先にある。日常、健康を守れない住宅と居住環境のもとで、地震時の死を防ぐことは困難ということである。