“ふぐの毒”を見てみぬふりをしてはいけない

2011-07-21

アウフヘーベンの考え方に従うと、一見すると矛盾しているものの、よく考えると、矛盾していないことに気が付く事柄(事象)が、世の中にはあ。ります。あるいは、真実なのだけれど、その真実に従っていると、なかなか“旨味ガが受け取れない事柄もあります。たとえば、ふぐにはぶツがあります。「だから、食べない方がよい」そういった対応は、正しいと言えるでしょう。リスクを避けるための便法としては、最善の策です。ふぐを食べなければ、毒にあたる可能性はないのですから、リスクはゼロです。しかし、ふぐは美味しいものです。そこで、人間は考えます。そのふぐの毒を取り除いて食べればよい、と。そうやって、日本人はふぐを食してきました。長い歴史の間に、ふぐのどこに毒があるのかを研究して、調理法を工夫した人がいたはずです。きっと、その中には、ふぐの毒にあたってしまい、犠牲となった料理人もいたことでしょう。もちろん、今では、特別な免許がなければ、ふぐを料理してはいけませんが、「法律」とか「免許」といった制度がない時代から、日本人はふぐを食してきました。豊臣秀吉が、朝鮮出兵を行った際に、九州でふぐを食べるのを禁止しか逸話が残っています。このことから、当時の人々がふぐを食べていたことがわかります。ふぐを食べて死んだ人が多かったので、禁止令が出されたのでしょう。地元の人たちは、調理法を知っていますが、遠方から九州に集合した武士たちの中には、「死ぬこともあるまい」「必ずしも、あたるとは限らない」と考えて、「そんなに美味いのなら食べてやろう」と一線を越えた人が多くいたのでしょう。余談が長くなりました。私がここで言いたいことは、「美味いものを食べるにも、食べ方がある」ということです。FX取引(外国為替証拠金取引)には、“旨味”があります。巷間取り沙汰されている、その最大の“旨味”は、金利差を受け取ることができる、というものです。長いこと採られてきた円金利の超低金利政策によって、円で預貯金をしても、利息が付きません。こう言うと、「円預金は、0・5%の利息が付きます」とか、「過去も、わずかだけれど、利息がありました」といった声が聞こえてきそうです。しかし、その程度の金利は、。ほとんど、ないに等しい”という意味で言っています。繰り返しますが、長い間の円の超低金利政策によって、円で預貯金をしても、利息が付きませんでした。そして、その状態は、2007年の現在も続いています。ですから、「外貨定期預金をすれば、利息が付く」「外貨MMFを購入すれば、利息がもらえる」「外貨投資信託に投資をすれば、利息が受け取れる」といったことに、気が付いた人たちが外貨投資を始めて、ブームになっているのです。しかし、ここには、“ふぐの毒”と同じようなリスクが存在しています。それが、為替変動リスクです。金利差を受け取ることだけを目当てとした外貨投資、つまり、金利差享受のみを目的とした外国為替取引が成功するためには、「外貨投資を行う際に、その外貨の価値(価格)が動かなければ(変動しなければ)」という条件が付くのです。